株式会社Helpfeel(京都府京都市、代表取締役/CEO:洛西 一周)は、有料の生成AIを導入している企業のツール導入立案者または運用担当者を対象に、「企業の生成AI導入」に関する実態調査を実施しました。
OpenAI社が新たな推論モデル「o1」を発表するなど、AIの進歩は目覚ましく、業務での生成AI活用が進んでいます。日本でも、多くの企業が生成AIを導入フェーズから活用段階へと移行しつつあります。
本調査では、企業における生成AIの導入目的や、導入後の満足度などについてアンケートを行いました。この結果、導入後の満足度は高いものの、課題を感じている企業が多いことが分かり、導入後に直面した具体的な生成AIの課題が浮き彫りとなりました。
調査概要:「企業の生成AI導入」に関する実態調査
【調査期間】2024年10月3日(木)~10月5日(土)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,007人
【調査対象】調査回答時に有料の生成AIを導入している企業のツール導入立案者または運用担当者と回答したモニター
【調査元】株式会社Helpfeel(https://www.helpfeel.com/)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
生成AIを導入・活用している部署TOP3は「情報システム」「マーケティング」「営業」
はじめに、7,712人に「所属している企業では有料の生成AIを導入していますか?」と質問したところ、1,557人が『はい(20.2%)』と回答しました。
次に、1,557人に「有料の生成AI導入におけるあなたの立場を教えてください」と質問したところ、467人が『導入立案者(30.0%)』、540人が『運用担当者(34.7%)』、550人が『いずれもあてはまらない(35.3%)』と回答しました。
これ以降は、生成AI導入における導入立案者と運用担当者合わせて1,007人にさらに質問を行いました。
「あなたが所属する部署を教えてください」と質問したところ、『人事・総務(16.7%)』と回答した方が最も多く、次いで『営業(16.6%)』『情報システム(16.4%)』と続きました。
「社内で生成AIを導入・活用している部署を教えてください(複数選択可)」と質問したところ、『情報システム(34.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『マーケティング(29.8%)』『営業(29.3%)』と続きました。
約9割が生成AIの導入に満足している一方で、約8割が課題を感じている
「社内に生成AIを導入した理由を教えてください(複数選択可)」と質問したところ、『リサーチ・分析のため(33.4%)』が最も多く、次いで『顧客対応の自動化のため(32.5%)』『メール・企画書などの文書作成のため(29.6%)』と続きました。
生成AIは、特にリサーチ・分析、顧客対応、文書作成の効率化を目的として導入されていることが示されました。
「生成AIを導入して、その効果に満足していますか?」と質問したところ、約9割の方が『とても満足している(30.4%)』『やや満足している(58.0%)』と回答し、生成AI導入の満足度が非常に高いことがうかがえます。
「生成AIを導入してみて課題を感じましたか?」と質問したところ、約8割の方が『かなり課題を感じた(19.5%)』『やや課題を感じた(58.1%)』と回答しました。
生成AI導入の満足度は高いものの、課題を感じている方も多いことが明らかになりました。
導入理由別の結果は以下の通りです。
【かなり課題を感じた】
『リサーチ・分析のため(40.6%)』
『顧客対応の自動化のため(40.1%)』
『メール・企画書などの文書作成のため(38.6%)』
【やや課題を感じた】
『リサーチ・分析のため(34.5%)』
『顧客対応の自動化のため(32.7%)』
『メール・企画書などの文書作成のため(29.1%)』
【あまり課題を感じなかった】
『情報収集のため(25.8%)』
『顧客対応の自動化のため(24.7%)』
『リサーチ・分析のため(24.2%)』
【まったく課題を感じなかった】
『情報収集のため(34.3%)』
『顧客対応の自動化のため(28.6%)』
『メール・企画書などの文書作成のため(25.7%)』
『設計・デザイン案作成のため(25.7%)』
リサーチ・分析、顧客対応の自動化、メール・企画書などの文書作成を理由に生成AIを導入した方の中では『課題を感じた』と回答した方の割合が高いのに対し、情報収集を理由に生成AIを導入した方の中では『課題を感じなかった』と回答した方の割合が高いことが明らかになりました。
情報収集など導入の目的がシンプルなら課題を感じにくい一方、リサーチ・分析や、顧客対応の自動化など、精度や質が求められる目的の場合、課題を感じやすいことが分かりました。
課題のトップ3は『データプライバシー』『情報漏洩・セキュリティ』『ハルシネーション』
生成AIを導入して『かなり課題を感じた』『やや課題を感じた』と回答した方に、「生成AIを導入してみてどのような点に課題を感じましたか?(複数選択可)」と質問したところ、『データプライバシーの懸念(37.0%)』が最も多く、次いで『情報漏洩・セキュリティ面の懸念(36.8%)』『ハルシネーションの発生(30.8%)』と続きました。
データプライバシーや情報漏洩・セキュリティ面に関する懸念を持つ方が多く、機密情報の保護が重要な課題となっていることがうかがえます。
また、ハルシネーションの発生によって事実とは異なる情報が生成されるリスクも問題とされているようです。
生成AIの利用ルールを整備することで解消できる課題/残る課題が判明
これらの課題を感じている方に「社内では生成AIの利用についてルールを整備していますか?」と質問したところ、課題別に以下のような結果になりました。
【ハルシネーションの発生】
『すでにルールを整備している(45.2%)』
『現在、ルールの整備を検討している(35.7%)』
『ルールの整備に着手したが、まだ完了していない(13.7%)』
【情報漏洩・セキュリティ面の懸念】
『すでにルールを整備している(29.9%)』
『現在、ルールの整備を検討している(45.8%)』
『ルールの整備に着手したが、まだ完了していない(19.8%)』
【データプライバシーの懸念】
『すでにルールを整備している(30.1%)』
『現在、ルールの整備を検討している(41.2%)』
『ルールの整備に着手したが、まだ完了していない(25.3%)』
『データプライバシー』『情報漏洩・セキュリティ面』を課題だと感じている方は、社内ルールが整備されていないケースが多く、ルールの整備が課題解決に繋がる可能性が示されました。
一方、『ハルシネーションの発生』を課題とする方は、既にルールが整備されている割合が高いにもかかわらず課題が残っていることが明らかになり、ルール整備以外の対策が必要であることが示唆されました。
まとめ:社内でルールが整備されていても『ハルシネーションの発生』に課題が残る傾向
今回の調査で、企業における生成AI導入の満足度や課題が明らかになりました。
生成AIを導入した理由として、リサーチ・分析、顧客対応の自動化、文書作成が上位に挙げられ、業務の精度向上や効率化を求める傾向がうかがえます。
また生成AI導入には約9割の方が満足していますが、約8割の方は課題も感じています。
導入の目的が情報収集などシンプルなものであれば課題を感じにくい一方、リサーチ・分析や顧客対応の自動化など、複雑で質の高さが求められる場合には課題を感じやすい傾向が示されました。
具体的な課題としては、データプライバシーや情報漏洩・セキュリティ面の懸念、そしてハルシネーションの発生が挙げられました。企業の信頼度がビジネスに影響する現在、機密性のある情報の漏洩や事実とは異なる情報が生成されることで、企業の信用が低下することをリスクとして懸念しているようです。
社内ルールの整備状況を課題別にみると、データプライバシーや情報漏洩・セキュリティ面の懸念はルール整備によって解決が期待される一方、ハルシネーションの発生に関しては、ルールの整備だけでは不十分であり、対策を検討する必要があることが分かりました。
制御可能なAIでFAQを効率化【Helpfeel AI】
今回、「企業の生成AI導入」に関する実態調査を行った株式会社Helpfeelは、「Helpfeel AI」(https://www.helpfeel.com/helpfeel-ai)を提供しています。
Helpfeel AIは、革新的な業務効率の向上とハルシネーションなどのリスク回避を両立し、生成AIの真の価値をあらゆるコミュニケーションの接点にもたらします。
【Helpfeel AIの強み】
■検索速度×回答精度の両立
Helpfeel独自の検索技術に米OpenAI社のAIをかけ合わせた、AI検索アルゴリズムは、従来の検索速度に加えて自然な文章での回答精度も両立しています。
■ハルシネーションの影響を受けない
FAQの回答記事やその記事に連動する意図表現は人間が作成するため、ハルシネーション(誤った回答や偽情報)が発生せず、正しい情報が表示されます。
特に、金融、医療、行政など、情報の正確性が求められる業界でも安心してご利用いただけます。
【Helpfeel AIが提供するソリューション】
■高い検索精度でFAQでの自己解決率を向上
当社の特許技術「意図予測検索」のアルゴリズムに、ChatGPTを提供する米OpenAI社のAI技術を取り入れることで、自然言語処理による検索精度を飛躍的に向上させました。
従来のキーワード検索に加えて、自然な文章の意味に基づいた検索(ベクトル検索)が可能になりました。
■問い合わせフォームでも自己解決を後押し
問い合わせフォームに入力された文章から、高い検索精度でユーザーが求める回答を表示。フォーム送信の直前まで自己解決を促せるので、問い合わせ削減につながります(オプション機能)。
■ユーザー行動分析も効率化が可能に
AIを活用し、問い合わせフォームからの問い合わせログやユーザーの検索行動ログを簡単に可視化。検索行動=顧客の声としてとらえ、詳細なレポーティングからVOC(Voice Of Customer)分析が可能です。VOCを分析することで顧客満足度向上や商品開発へ活用することができます。
■FAQの質問文・回答の自動生成で負担削減
メールやチャットの履歴、メモ書き、PDFデータなどから、生成AIで簡単にFAQタイトルと本文を生成することができます。FAQ記事作成時間を50%削減(当社比)し、大幅な業務の効率化を実現します。
■Helpfeel AIに関するお問い合わせ:https://www.helpfeel.com/helpfeel-ai-contact
■株式会社Helpfeel 概要
創業:2007年12月21日(2020年12月4日に日本法人を設立)
代表者:代表取締役/CEO 洛西 一周
京都オフィス:〒602-0023 京都府京都市上京区御所八幡町110−16 かわもとビル5階
東京オフィス:〒105-7105 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター5階